SFCの初代学部長でもある加藤寛教授が亡くなられた。
生前、このような事を言われていたことを最近知った。
「もちろん、お金は儲けるほどいいものですが、それを第三者のためにどこまで使うことができるかというのが、社会を作る重要な鍵となります。日本がさまざまな課題を抱えているいま、よりよい社会を作るために、次世代にその社会を残していくために、SFCで学ぶ人たちには、公につくすということを心に刻んでいてほしい、そう願っています。」
SFCを卒業して10数年。SFCは自分にとってプラスだったのか、卒業後時々考えることがある。経済、法律、文学等々、多岐に亘ってクラスを履修し、深みのある知識はついたのだろうか。浅く広く学問をやり、どんな専門性がついたのだろうか。
今でもこのモヤモヤ感は解消されていない。
先月、丸の内でSFC・OB会というイベントがあった。自分が知る限り、SFCがOB会をやるのは初なのではないか。懐かし面々と出会えるかとの期待もあり参加してきた。公演をされた井関先生は、SFCを設立した当時の想いを熱く熱く語っていた。先生の考え方と社会の現実とのギャップを感じたものの、社会を変えてやろうとのあのパワーはSFCならではだと思う。
「公につくすということを心に刻んでいてほしい。」
「公に尽くす」精神は自分が最も大切にしている。だから、加藤教授のこの言葉に救われた。今でもSFCに対するモヤモヤ感は解消されていない。ただ、一つ言えることは、このDNAが自分の中に入っているということ。
政府系金融機関に転職したのも「公」を意識しての決断だった。そして、留学先を決めたのも、ケネディースクールの校訓である「Ask what you can do for your country」に共感を覚えたから。この言葉はこのブログのタイトルにもなっている。
卒業して以来、一回もSFCに行っていない。今度行ってみようか。どう感じるのだろう。